痔の手術 顛末記

ある40代会社員の痔の手術、入院の一部始終を日記形式でお届けします。

痔(内痔核)手術体験レポート 【第10報】

2004年1月12日 22:30

再入院しました。

暗い第9報以降、音信途絶えてご心配お掛けしました。あれからの状況をお知らせします。
実は再入院となって、入院レポート第2弾をお届けする羽目になりました。今は退院して本文を書いています。また長文ですが、今回も排便がらみのお話なので、食事時にお読みならない様ご注意。


1月5日(月)の定期健診(第9報詳述)にて、経過は順調と診断され帰宅してからもさらに便秘は続きました。

翌6日(火)
朝から肛門痛、腹痛に悩まされました。とにかく排便しなくてはと痛みに耐えながら踏ん張るも、液状の便がしみ出る程度で、激痛のため即入浴。その後コタツで丸くなり間欠的に訪れる痛み(レベル7)をこらえる状態となりました。

不思議な事にこの痛みはほぼ正確に5分おきにやってきます。まるで陣痛のようです。でも出てほしいのは赤ちゃんでなく便なのですが。

午後カミサンが病院に電話し、浣腸をしてもいいかと聞きましたが、もしやるならば、病院の方でしますから来てくださいとの返事でした。しかし、当方が苦しんでいた末に、眠ってしまったために、午後の病院に行きそびれてしまいました。

夜、目が覚めても、痛みは続き、とうとう、深夜12時、再度病院にカミサンが電話して、朝から食事もとれず苦しんでいるので、これから行くという事になりました。
寝間着のまま毛布に包まり、車の後部座席に寝転びました。走り出すと窓を通して寒む空に白い満月がよく見えました。

病院に着きいつもの玄関から暗いロビーを抜け、4階ナースセンター前のラウンジで待たされました。

間もなく夜勤の先生(若いもさっとした先生)が現れ、お尻を出して患部を診断、当方が便秘しており、間欠的に痛むと言うことで、痛み止めの座薬をブスリッと挿さしました。20分くらいで効いてくるとの事で、しばらく様子を診る事になりました。

しかし30分以上たっても相変わらず5分おきの痛みは鎮まらず、深夜1時半、緊急入院となりました。

部屋は前回と同じクローバー館5階、個室の508号室。当方1−2日位の入院なら(その位で治ると思ってました)ちょっと贅沢もいいかと。
(後で分かったのですがここは特別室でした。差額ベット代 15,000円))

ほどなく、看護婦が現れ、強い鎮痛剤を注射するとの事。血圧を測り、筋肉注射、その後また血圧測定。いやに慎重にやるなあと思ったら、後で知った事だが、強力な鎮痛剤(ソセゴン)で、モルヒネなどに代わりよく使用されるもの。人により血圧上昇、ショック症状がでるヤツらしく、ふらつきも出るそうで、確かにトイレに行こう足を踏み出そうとしたら、ボーッとして看護婦に一瞬支えられる羽目に。

しかし効果てきめん! あっという間に痛みは消え去り、寝られる状態に。カミサンは帰宅し、再び病床暮らしになりました。この夜は、痛みは無いものの、なぜか1時間おきに目が覚めた。


7日(水) 
朝、昨晩の鎮痛剤が切れるに従い、間欠的な腹痛が出始める。
午前中に痔の手術の執刀医が個室に診察に訪れ、尻出して患部を確認。便秘による硬い便を出すため、処方した緩下剤、下剤を必ず飲むよう指示有り。痛み止めの座薬を再挿入される。これ効かないんだけなと思いつつ、ベッドで安静。

ところで個室は1日差額ベッド料1万円(この時は特別室と気づかず)もしますが、何よりも設備は広いビジネスホテル並。ユニットバス(洗面、ウォシュレット便座付き)、があるので、気兼ねなくトイレはできるし、指定時間外でもいつでも入浴、座浴可能。(通常の個室は浴室なし) 液晶テレビはワイド画面の大型。 DVD+ビデオプレーヤー(使わず)、直通FAX電話、大型収納家具。 移動テーブルに、別途2人用テーブル椅子セットの豪華設備があります。今回の再入院の症状では、苦痛の呻き声で相方に迷惑を掛けず、また入浴がいつでもOKな点は助かりました。

腹痛は相変わらず続き、病院食ものどを通らず、何度かトイレに行くも、やはり液状の便がしみ出る程度で、激痛のため即入浴。
この日の夜は、間欠的に続く痛みにほとんど眠れず過ごしました。早くこの苦しみから逃れたいと思いつつも、看護婦を夜中呼び出す気にもなれず、我慢してしまいました。


8日(木)
朝また執刀医の回診があり、懐かしいあの看護婦(第5報:アコムの小川似の方。Cさんと判明)が同行です。便通なし、腹痛が続いている状況を知り、強制的に出しましょうと即その場で浣腸をされる事になりました。

もはやこれだけ尻を見せて来ているので、Cさんの前でも何の恥じらいも無く尻を出し、肛門に浣腸のチューブを挿して頂きました。出た便を見ますので流さないで呼んでくださいとのこと。またまた排便チェックです。好感を持っている看護婦にここまで踏み込まれると、なんとも開き直って羞恥心などはなくなります。何でもご覧あれ。

15分くらい我慢してと言われましたが、腹痛に浣腸の圧迫感が加わりとても我慢ができず、ものの数分で便座にまたがりました。すぐに注入したての浣腸液が出てしまいましたが、そのあと硬い便が数個出たような感覚がありました。
 
しばらくして看護婦Nさんが現れ、どうでしたかと便器の中を見られましたが、茶色く濁った状況で現物を確認できず、自己申告。さすがに水中にある物体を無理やりつまみあげられる事はなかった。

Cさんが報告のため消えて程なく主治医が現れ、これだけの日数便秘ならまだお腹に硬い便が残っているはずなので、午後一番に摘便しますと決定。

「摘便」とは便の摘出、すなわち、お尻に麻酔をかけて、詰まった便を肛門からかき出すことです。何と最早、究極の施術、恥もここに極まれりといった感があります。

ともあれまた手術(一応)です。 昼過ぎ手術のお迎えが来ました。
看護婦は初回手術の時もお迎えだったあの看護主任のBさんです。前回の手術でも着用した手術着に着替え、リンゲル液(栄養)点滴を受けて、第4報にお届けした手術前の写真の姿に再び戻りました。

さてストレッチャーに乗って・・・、と思ったら、手術室は日帰り手術室で、そこまで歩いて行くとの事。ナニほじくるのは中央手術室じゃないため待遇違うんだとか、いや手術室が臭くなって、後の手術者がたまらないから部屋変えたんだとか、いろいろ考えながらトボトボとハート館2階の日帰り手術室へ。

ここは日帰り対応のため、中央手術室と比べ、部屋も8畳程と狭く、設備も簡素。BGMもありません。(摘便ごときではサービスないのかも) 到着しても誰もおらず、H主任から「そのベッドにうつぶせに寝てね」と指示され、ベッド上でしばらく静かに待つ事に。

10分くらい待つと主治医が現れ、「じゃあ摘便のため、麻酔します。ちょっと痛いけど我慢して。」と尾てい骨あたりに注射をしました。針が太いのか、液量が多いのか結構痛い。(うつ伏せで見えない)なんか頬の辺りまで暖かくなるような感覚があり、麻酔が効くまで15分掛かるからと、皆で無言の待ち時間。

さて麻酔が効いたかなと先生が肛門を突付きます。しっかり痛い。
そうですか?と今度はアルコール綿を背中と肛門に付ける。「背中は冷たいけど、ここは感じないでしょ?」 確かに背中は冷たいが、それ以上に肛門に付けたアルコールが沁みて痛い!「先生、アルコールが沁みて痛いですぅ!」と訴えると、先生あわてて肛門を拭いてる雰囲気。効きが悪いのかなぁと、もう一度麻酔注射。 多少は先程注射した麻酔が効いていて、こんどの注射は痛くない。 また静かに待ちの15分。

「さてと」おもむろに肛門に器具を装着して、開口部を広げようと引っ張った刹那、当方「イタタタタッ」と呻く。

これでは摘便作業が苦痛の所業になると思っていると、先生がBさんに「鎮静剤」と一声。 点滴液に鎮静剤らしきものを注入している模様。と・・・、それから記憶がありません。 寝てしまいました。したがって手術結果、ようするにどれだけほじくれたのか結果を見ることもできず、夕方4時過ぎに目を覚ましました。摘便作業はとても痛かったであろうに、鎮静剤恐るべし。

さて目を覚ますと術後の肛門が痛い。(レベル7) いろいろ無理されたんだろうなと思いつつ、昼に飲む痛み止めの薬も手術で飲んでいなかったと思い出し、服用。ほどなく肛門痛は和らぎ、間欠的襲われていた腹痛もなくなっていた。

5時頃、かの看護婦Cさんが現れ、摘便では全部取りきれていないようなので残りを、押し出す下剤をお持ちしましたから、これを飲んでくださいと、見覚えのあるかの大型下剤容器に1リットルの下剤が。前回の2リットルに比べれば、楽勝と思いつつ、塩味のねっとり液を飲みだす。しかし、1時間以上かかってやっと完飲。途中夕食のご案内があったが、食べられるわけも無く、今日も朝から3食ろくに食べられず。

これで3日ろくに食べていませんが空腹感はまったく無い。きっとお腹の脂肪が燃やされており、ダイエットできているのではとあらぬ期待が膨らむ。

夜7時頃からトイレ通いとなり、最初の2回、いきむと固い便が何個か通過する感触有り。ほっと一安心。以降下痢便状なり、いきむと固い便が出せない状況に。 まだ固い便が残っていて、肛門を塞いでいる感じがあり、目いっぱいイキンだが出てこない。とりあえずこの辺で切り上げ、入浴する。ようやく入院3日目の夜にして安息の睡眠を取ることができました。


9日(金)
朝も痛みも無く、起きられた。 しかし、毎晩下剤を服用するよう指示され、薬を飲んでいるので、朝はすぐに便意をもよおし、朝食もおちついて食べられない。

午前中に3回くらい排便するが、下痢便状。下剤を何種類も飲んでいるので固まって出る訳もないが、こんなに下痢状を続けて、今度は痔ろうになってしまうのではと不安にもなる。

昼前主治医が回診に来て状況を尋ねられる。 まだ固い便が残っていて、肛門を塞いでいる感じがあり、目いっぱいイキンだが出てこない、と伝えると、じゃあもう一度下剤をやってみましょう、と言う事に。

そして来ました。また1リットル。今度は昼飯時に飲んだため、昼食を口にできず。居合わせたカミサンに昼食を食べて頂きました。代わりにパンとデザート、飲み物の買出しを依頼。

午後にかけて再びトイレ通い。下痢状の便が出るが、固いものは出ず。3時頃買ってきて貰ったメロンパン半分、ヨーグルトを食べる。

実は今回の再入院でカミサンに入院道具でパソコン持って来てもらっていましたが、上述の通り、前半腹痛、後半下剤攻めで、落ち着いてパソコンを開く余裕が無く、続報の発信はおろか、メールチェックもできません。今日は週末金曜日のため、夕方会社(部長)に状況を電話で報告。

当初の出社予定は13日からでしたが、現在の状況は、下剤が数種処方されているため、朝は数回の排便の状況となり、13日午後出社の可能性があること。14日には経過検診のため、やはり午前半休となる旨を伝えました。(13日朝、再連絡することを約束)

夕食は再入院後初めて通常に取る事ができました。4日近くまともに食事していない状況だったわけで、何キロ体重減ったのか楽しみ。また今回は入浴制限もないので、あの大浴場も男性入浴時間に入れます。苦しくないときは、時間が合えば大浴場に入りました。


10日(土)
今日は退院だろうと思ったのですが、病室にあのCさんが現れ、主治医が分院(新橋にある)に行っていて、回診がなく、看護指示書に退院となっていないとの事。午前中に外来の検診が入るよう手配しますので相談下さいとのお話。

いつもの検診の案内のアナウンスがあり、外来に行き、呼ばれて診察室に入ると、始めてこの病院を受診したときの担当医が検診。患部を見て、入院記録を一読した後、「残便感は、痔の手術後の肉芽が盛り上がっており、固い便と錯覚しているかもしれない。退院するかしないかは本人次第だね。」 と、ちょっとムッと来る発言。こちらは今日退院のつもりで、荷造りしていたのに。

「では退院します」と答えたが、この病院のシステム上、退院決定の翌日が退院日。当方元気ながら、もう一泊することに。夜はしっかり大浴場で入浴、テレビもしっかり11時過ぎまで観賞、まったく元気な状態に。


11日(日) 再退院の日
朝、下剤が効いて、朝食もそこそこにトイレ数回。朝の大浴場に入浴する時間を逃す。退院者の検診のアナウンスがあり、外来へ。呼ばれて診察室へ入ると初顔の35歳前後のイケメンな先生。男が男の顔を評価してもしょうがないが、診察は至って簡単。特に退院を前にした注意事項もなく、「ガーゼを貼る絆創膏にお尻がかぶれてきていますね」とガーゼを貼りなおして終了。後で気が付いたが、かぶれない絆創膏を処方してもらえばよかった。

部屋に戻り荷物をまとめていると、会計の準備ができた旨のアナウンスがあり、予想外に5夜も世話になった個室とお別れする。会計待ちをしていると迎えのカミサンに合流。会計は思いのほかかさみ、深夜治療、差額料の高い部屋代、摘便料?などで前回入院とほとんど代わらない費用になった。

10時半に病院を出て11時には自宅到着。久々に自宅のできたての食事をおいしく頂くが、少し食が細くなったような。


今回の再入院は、要するに手術後の便秘の治療のため、下剤責めの日々でした。おかげでいろいろな下剤を体験させて頂きました。


→お口から

 @大量液状下剤: お腹に吸収されないため、1〜2時間で
   便を流し出します。 即効性抜群。
   やや塩味のねっとりタイプ。
   内視鏡検査前に飲む2リットル、便秘治療時は1リットル
   を飲みました。このように大量の液体を1時間強で
   飲むのは初めての体験。結構きます。

 A液状下剤: 100cc程度の飲み薬。寝る前に飲まされます。
   効果は翌朝しっかり便意、緩やかな下剤と思われます。

 B錠剤(ピンク): 寝る前に2錠飲みます。
   市販されているものと同様と思われ、朝に確実に便意。

 C錠剤(白): 食後1錠。マグネシウム剤で腸内の水分を
   集め、便を軟らかくし、便通を促します。

 D漢方薬: 朝晩食前に飲みます。
   便通、腸の働きを整える効果。


→お尻から

 E座薬下剤: 肛門に差し込まれます。15分〜30分で
   確実に便意。即効、超強力。大腸がうねる様な躍動感に
   あふれた強烈な効果。

 F浣腸: 肛門に管を差込み直腸内にグリセリン液を注ぎ
   込みます。超即効、強力です。
   出口付近の硬結便(固い便)を押し出すには一番効果が
   ありそうです。言われた時間までなかなか我慢できません。  


現在はB、C、Dの服用を続けていますので、毎朝数回おトイレにこもる必要があります。この服用やめたら反作用で、ますますヒドイ便秘になるのではと多少の不安も。


12日(月)
昨晩遅くまで、この文を作文して、起きたのは昼前。
お薬指示通り服用しているので、しっかり便意が。今日は下痢症でなく軟らかいながらも連なった便になっていた。起きたばかりで、痛み止めが切れていて、レベル6くらいの痛みであったが、薬無しでも排便できるような状況になってきたことは喜ばしい。

今は、倦怠感と下剤の影響による腹部の違和感が多少あるものの、腹痛も無く快調です。よって明日は午前中様子を見て、午後から会社に顔を出そうと思います。

ただ、いろいろ持ち物が多くて悩みます。まず、仕事用のパソコン・周辺機器類を会社に持ち込まなくては。そして、療養グッズ類。

・おなじみのお通じ後の処理セット(ガーゼ、絆創膏、軟膏、消毒薬)
・服用薬: 緩下剤、痛み止め
・座布団

久々の出勤で、照れくさくもありますが、よろしくお願い致します。出社した暁には、ウォシュレットのある周辺トイレ情報を頂けると幸いです。 

では・・・